【勝てる!戦略営業術 コラム】

【勝てる!戦略営業術 コラム】

人に喜ばれて、稼げる仕事が営業だ!

みなさん、こんにちは。工藤です。この本を手に取った方は、多かれ少なかれ、営業の戦略やノウハウ、売るための仕組みづくりに興味のある方でしょう。
さて、みなさんは、営業という仕事にどういうイメージを持っていますか。

営業とは、自社の商品やサービスを顧客に「売りつける」仕事である。
営業とは、ノルマに追われ、常に「数字」がつきまとう仕事である。
営業とは、ともかく「結果」がすべて。成果を出してナンボの仕事である。
営業とは、熱意と押しが大事cクライアントに日参し、「足で稼ぐ」仕事である。
営業とは、セールストークとコミュニケーション。「対人スキル」勝負の仕事である。

私にしてみれば、どれもが間違っています。
もちろん、「結果を出す」ことは非常に重要です。仕事である以上、目標達成に向け、全力を尽くさなければなりません。
でもそれは、営業マンだけではなく、ビジネスパーソンであれば、だれもが当然、求められることではないでしょうか。

しかし、営業とは、モノやサービスを「売りつける」仕事ではありません。
クライアントが抱えている問題をしっかりと理解し、自社の商品やサービスの中から、お役に立つものを見つけ出し、解決に至る提案をすること。

これこそ、現代の憐業マンにとって、もっとも敢要なタスクであり、使命です。
つまり、「どうしたら、お客様のお役に立てるか?」を懸命に考え、問題解決の一環として、自社の商品やサービスをご購入いただく。
これが「営業」という仕事の本質であり、いつの時代になっても、営業マンが必要とされる理由です。
営業マンの存在価値は、「提案」にこそあると考えてください。

ところが、「顧客満足」や「顧客優先」を掲げているのに、「押し売り営業」「モノ売り営業」のスタイルから脱却していない企業が、残念ながら少なくありません。
営業マン自身も、数字を達成しなければという目先の目標にのみ、迩進する傾向があります。
しかし、行き当たりばったりの活動で、いくら訪問数をこなし、汗をかいてがんばっても、なかなか成果には結びつかないでしょう。
なぜなら、そこには、営業活動に対する「戦略」がありません。
なにより問題なのは、自社の「セールス」だけに終始し、絶対、忘れてはならない「お客様のお役に立つ」という視点が欠落していることです。

モノが不足していた時代は、熱意を示す日参も、ある程度は有効でした。社長や担当者相手にねばり、とにかく売り込む。押しの強い営業で成績を上げることができました。
しかし、今はモノが飽和し、商品やサービスの差別化がしにくくなっているうえ、ニーズも多様化している時代です。
お客様の問題を解決する「ソリューション営業」という発想を持ち、論理的な戦略を立て、営業スキルを磨いていく必要があります。

もちろん、一朝一夕に身につくものではありません。
しかし、「勝てるセオリー」は絶対にあります。
むしろ、お客様のニーズに合致すれば、商品やサービスは売りこまなくても、「自然に売れてゆく」ものなのです。

自社の利益にもなり、お客様のビジネスにも貢献できる
Win~Winの関係をめざすこと。

これが、ソリューション営業がめざすゴールです。
しかも、顧客からは「よくやってくれた」「助かった」「ありがとう」と感謝される。
それこそ、衡業という仕躯の醍醐味でしょう。
実際、できる憐業マンは、そういう経験を積み重ねね、仕事に対するやりがいや手応えを感じながら、高いモチベーションで取り組み、成果をあげています。
お客様に喜ばれて稼げる仕事。それが営業なのです。どこの企業でも、営業職は文字通り稼ぎ頭であり、経験に直結ポジションです。

認められれば必ず昇進できる、「ライン」の仕事であることも忘れてはいけないでしょう。

私は、大学卒業後、ずっと営業畑を歩いてきました。
最初の職場は、広告代理店の博報堂。ここではアサヒビールの担当として、提案型ルート営業のノウハウを身につけました。
その後、ITベンチャーのガーラに転職し、ナスダック・ジャパン(現ヘラクレス)上場に寄与するかたわら、インターネットを柄用した新規開拓にも開眼しました。
しかし、思うように成果が出せず、苦しんだ時期もあったのです。
スタッフの指導・育成に携わるようになってからは、部下の成績がなかなかあがらないのを見て、営業活動をプロセス化・体系化する必要性を感じるようになりました。
個人の成功体験によるノウハウだけでなく、より論理的に「勝てるセオリー」を伝えられれば、理解が深まり、部下の成長も早いだろうと考えたからです。

ちょうどその頃、ソフトブレーンの社長(当時)、宋文洲氏と出会い、「営業のプロセスマネジメント」という考え方に触発され、営業を体系化していく糸口をつかみました。

同社のサービスにビジネスとしても新しい可能性を感じ、ソフトブレーンに入社。
2004年には、中小企業向けの営業支援をおこなう、ソフトブレーン・サービスを設立しました。
現在までにクライアント企業は1000社に達し、営業支援、営業コンサルティング、WEBコンサルティングなどの多角的なサービスを提供しています。
一方、2008年からは、営業マンの資格取得、認定制度を実施する「日本売れる仕組みづくり一般財団法人」の代表理事として、営業マンの地位向上とスキルアップをめざす活動を推進する立場にもなりました。

この本では、営業のプロセス管理について説明しながら、私自身のエピソードを中心に、ルート営業、新規開拓鴬業、ソリューション営業の極意を伝えていきます。
また、インターネットに対する知識は、現代の営業マンには欠かせません。私が「グーグル営業」と名付けたネットを活用した営業戦略にも触れます。

世界同時不況で景気悪化が進み、100年に1度の経済危機といわれる時代です。
モノが売れない、値下げ競争が激化している、商品の差別化ができない・・・。

この現状を打開するにはまず、営業という仕事に対する認識を変え、現在の営業スタイルを見直していくことが必要ではないでしょうか。
なにより大切なのは、現場の営業マン自身の意識改革です。
精神論、根性論に基づく押し売り営業、モノ売り営業ではもう古い。
多様化・高度化するお客様のニーズに対応する、徹密で戦略的なソリューション営業こそ、これからの主流です。
また、そうでなければ、勝てない時代に突入しています。

この本で、営業の「勝てるセオリー」を学んで、ぜひ実践してください。
組織の看板やブランドに頼るだけでなく、また、ブランドがないことを嘆くのではなく、個人でもできる営業戦略、売れる仕組みづくりに、積極的に取り組んでください。

もう一度、断言しましょう。
営業とは「顧客に喜ばれる仕事であり、稼げる仕事である」と。
お客様のビジネスに貢献できる、ソリューション営業のスキルを身につければ、数字は後からついてきます。

本書が少しでも、営業職に携わるみなさんのお役に立つことを、心から願っています。

2009年秋

【第1章】仕組みづくりで業績を伸ばせ!
【第2章】ルート営業こそ、営業の王道だ!
【第3章】新規開拓営業で売上アップ!
【第4章】ソリューション営業で顧客の信頼を獲得!
【第5章】グーグル営業で売れる仕組みを強化!

工藤龍矢書籍『勝てる!戦略営業術』より

 
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