商談には「売れる営業の5ステップ」を意識せよ

【第1章】仕組みづくりで業績を伸ばせ!

6.商談には「売れる営業の5ステップ」を意識せよ

もちろん、情報提供するだけで、成約に結びつくわけではありません。
情報提供は、あくまで「地ならし」。家を建てるための土台ができた段階に過ぎません。
けれども、基礎がきちんとできていない場所に、いくら立派な家を建てようとしてもムリなように、確実に手順を踏むことが勝てる常業への第一歩です。

本番は、「売れる仕組み4ステップ」の3に該当する「販売。見極め」Ⅱ「商談」です。
ここでも性急にコトを進めてはいけません。
面談の際にも当然、きちんとプロセスを積み重ねていくことが大切です。これもまた、きちんと手順を踏むように意識してください。

《売れる営業の5ステップ》
ステップ1 事前準備     ・・・お客様の問題とニーズを予測
ステップ2 アプローチ    ・・・距離を縮め、信頼を獲得する
ステップ3 ヒアリング    ・・・本音に迫って、ニーズを把握
ステップ4 プレゼンテーション・・・ニーズを満たす解決策を提案
ステップ5 クロージング   ・・・成約か失注か、決着をつける

モノ売り営業ではない問題解決型の営業、すなわちソリューション営業をするためには、「お客様のニーズ」を探らなければなりません。
情報提供と同時に、先方の情報を収集し、しっかり準備をする必要があります。

ソリューション噛業における商談とは、ある意味で「お見合い」のようなものです。
おたがいの情報を知り、「ご縁があるかもしれない」と思うからこそ、面談をセッティングする。
その後、相手の気持ちや価値観を理解するための交際期間に入り、人生設計や相性を見ながら、一緒にやっていけるかどうかを判断する。

そのプロセスを経て「結婚しよう」「見送ろう」のどちらかに決着をつける。自分がが大いに乗り気でも、相手は連うかもしれません。
その場合は、残念ながらご縁がなかったことに……ということで、段階に応じて「お断り」「破談」「幡約解消」になるわけです。
商談と同じだと思いませんか。

肝心なのは「価値観」や「相性」。これを兇極めて合意に報らなければ、婚約や結婚は成立しません。
破談になったとしても、どちらかが悪いわけではなく、あくまで「マッチング」の問題です。
他のお相手ならうまくいくかもしれないし、条件面は申し分なくても気乗りがしないとか、原因はいろいろあるでしょう。
しかし、お見合いの場合は、宙ぶらりんになることはありません。見送るか、交際を継続するか、婚約に至るか、きちんとけじめをつけます。
気を持たせて引っ張るのは相手に失礼ですし、次のお見合いに移れなくなってしまいます。
商談の場合もまったく同じです。

ただ、営業マンの場合はいつも乗り気で、どんな相手とでも結婚したがる傾向があります。
しかし、やみくもに押しても相手の心は動きません。価値観の合わない相手と無理矢理結婚しても、結局、後悔してしまいます。

「事前準備」をして「アプローチ」した後、相手の本音や気持ちを探り出すのが「ヒアリング」、そしてそれに沿った人生設計などを提案するのが「プレゼンテーション」です。
最後のジャッジを相手にゆだねたら、結果に応じた「クロージング」をする。
このプロセスをしっかり認識し、各段階で手を抜かないことが大切です。

 

工藤龍矢書籍『勝てる!戦略営業術』より

 
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