ルート営業と新規開拓はスタートラインが違う
【第3章】新規開拓営業で売上アップ!
1.ルート営業と新規開拓はスタートラインが違う
どんな企業においても、新規開拓は大きな営業課題です。
業績の維持・向上には、既存顧客を十分ケアするかたわら、新しい顧客を開拓し、自社の商品やサービスを積極的に売り込んでいかなければなりません。
ルート営業がメインであっても、営業活動の4分の1は新規開拓に取り組むようにする、少なくともそう決めて、時間を確保するようにしてください。
しかし、ルート営業と新規開拓では、スタートラインが大きく違います。新規開拓の場合、「集客」、すなわち「見込み客の発掘」から始めなければいけないからです。
これがなかなか大変です。
まず、具体的な行き先が決まらない。アポイントが取れれば、それまでに培った営業トークや面談スキルを駆使できます。ところが、新規開拓の場合、商談にたどりつくまでがむずかしい。
営業マンが突然訪れても、迷惑がられるのがオチでしょう。名簿をしらみつぶしにあたるテレアポ作戦や、飛び込み営業も打率は低い。
新規開拓の場合、ターゲットリストを作成して、見込み客の掘り起こしから始めなければならないのです。
●ルート営業 =取引実績のある顧客に営業する
●新規開拓営業=売り込み先の選定から始める
この違いは大きく、新規開拓では、ルート営業の4~10倍、労力がかかるでしょう。
そもそも売り込み先が明確かどうかで、営業マンのモチベーションは大きく述います。
私は長年の経験から、営業マンへの最高のプレゼントは、結局、「引き合い」=「見込み客」だと感じるようになりました。
訪問先がザクザクある状態なら、張り切って仕事ができる。話を聞かせてほしいというオファーがあれば、営業マンは喜んで出かけます。
たとえ、失注に終わっても、商談さえできれば、ある程度、満足感があります。
しかし、実際は訪問してもムダ足が結構多いのです。
事前にアボ入れして訪ねたのに、「今日はなんだつけ?」と忘れられていたり、「なんだ、本当に来たんだ」と迷惑そうな顔をされるケースも少なくありません。
そのたびに心が傷つき、徒労感を覚える。営業マンならだれもが経験することです。
顕著な例が、飛び込み営業でしょう。話を聞いてくれるかどうか、確証がないのに訪問するのは、本当にストレスが大きい。
がんばっているのに空振りが多く、成果があがらない。この状態を私自身、第2の職場で経験しました。