プッシュ型営業からプル型営業へ

【第1章】仕組みづくりで業績を伸ばせ!

2.プッシュ型営業からプル型営業へ

押し売り営業とは、言い方を変えれば「プッシュ型の営業」です。
とにかく「買ってください」と購入をお願いする。買ってくれそうな方を見つけたら、積極的にアプローチし、押して押して押しまくる営業です。
もちろん、これで成果があがるジャンルもないわけではありません。

不動産や投資商品、墓地・墓石、英語教材、ケーブルテレビの契約、保険など、「そういえば欲しかったかも」という商品が該当します。
訪問販売やテレアポなどを活用することが多いのですが、コストパフォーマンスも意外と悪くはありません。
しかし、プッシュ型営業は今や、限られた商品だけに通用する営業スタイルです。

今後は、なんといっても、「プル型営業」の時代です。
強引にアプローチするのではなく、こちら側から情報を提供し、興味を持っていただけそうな方を引き寄せ、そこからターゲットを絞り込んで、商談につなげていく。
そういう営業スタイルにシフトしていかなければなりません。
特に新規開拓営業では、見込み客を幅広く集める「プル型」の発想が大切です。
新規開拓については第3章で詳しく説明しますが、「見込み客」をどう集めるか。
ここが一番のポイントです。
普通は早く結果を出すため、「買ってくれる客」を探そうとしますが、そもそもここが間違いです。
購入してくれるお客様をキャッチするのは非常にむずかしい。
営業マンの失敗パターンとして、よくあるのが次のような例です。

ちょっと脈のありそうなお客様がいたら、ここぞとばかりに食らいつき、訪問や電話を繰り返す。
いやがられてもしつこく勧誘して結局、逃げられる。
見込み客に即「プッシュ型」のアクションを起こすのは、アプローチの仕方自体が失敗です。
しかし、ターゲットをもう少し広げて、「興味を持ってくれそうな客」にアプローチするのは、意外と簡単です。
興味・関心を引くだけの情報提供をし、まず「見込み客」を発掘します。
そこにすぐ売り込みをかけるのではなく、さらに情報提供を続けてフォローしつつ、「冷やかし客」「そのうち客」「今すぐ客」にランク分けし、ニーズの強そうな「今すぐ客」に絞り込んで商談につなげていくというプロセスを踏めば、確実に勝率はあがります。
結果にこだわるプッシュ型営業から、情報提供でお客様の興味を引き、次第に距離を縮めていく、プル型営業に切り替えなくてはいけません。
きちんと材料をそろえ、時間をかけて仕込みをし、十分準備してから調理に取りかかる。
料理と同じように、営業もプロセスを踏んで進めなければ、なかなか成果が出ない時代になっています。

 

工藤龍矢書籍『勝てる!戦略営業術』より

 
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