対人スキルだけでなく知識の蓄積もめざせ

【第1章】仕組みづくりで業績を伸ばせ!

4.対人スキルだけでなく知識の蓄積もめざせ

また、知識の蓄積も非常に大事です。その重要性に気づいたのは、広告代理店の博報堂からITベンチャー、ガーラヘ転職した後でした。
結果が出ず、大企業のブランドがはずれ、無名ベンチャーの辛さを痛感したものです。
IT業界の黎明期だったせいもあったでしょう。インターネットもようやく普及し始めた段階で、サィバーエージェントやオン・ザ・エッヂ(現LDH)が上場して注目を集めていた時代でした。
IT関連の商品は認知度が低く、お客様がまだ多くなかったせいもあります。

しかし、会社が無名なだけではなく、私自身に十分な業界知識・商品知識がないことが最大の敗因でした。
実際、IT関連の知識が蓄えられ、お客様のビジネスとマッチングできるようになると、成果に結びつくようになったのです。業界知識・商品知識の大切さを実感しました。

見過ごされがちですが、営業力とは対人スキルと商品知識の2段階で構成されています。

●対人スキル・・・ヒアリングカ、コミュニケーション力、セールストークなど
●商品知識 ・・・自社製品&業界知識、顧客側の製品&業界知識

この2つはクルマの両輪のようなもので、どちらが弱くても、成果には結びつきません。
営業のスキルというと、一般的に対人スキルに目が向きがちですが、私自身は知識の比重のほうが重いかもしれないと考えていま

なぜなら、セールストークやコミュニケーションは、場数と経験を通じて、ある程度、磨かれていきます。
しかし、いくら話題が豊富でソツのない接客ができても、知識の裏付けのないトークは、薄っぺらく感じられるのです。
逆に、自社の製品や業界に精通していて、新ジャンルにも詳しい営業マンは、対人スキルが多少弱くても評判がいいものです。
豊富な知識の裏付けが信頼になり、「そうだ、〇〇君に相談しよう」と、受注に至るケースが珍しくありません。

●用事を言いつけられる営業マン=単なるご用聞き
●顧客に信頼される営業マン=プロフェッショナル

どちらをめざすべきか、明らかでしょう。
もちろん、知識といっても、スペック的な知識だけでは不十分です。
自社商品やサービスが、お客様のビジネスにどう役立つか。
パンフレットやホームベージに記載されている以上の説明ができ、周辺情報も含めて回答できるだけの理解と知識があるか。
それが営業マンの武器となる「商品知識」なのです。
もちろん、専門知識では技術者や開発担当者のほうが詳しいでしょう。
しかし、お客様のニーズや問題点を理解し、商品とマッチングできるのは営業マンしかいません。
単なるセールストークだけでなく、現代の営業マンは、深い知識の裏付けによる情報提供ができなければなりません。

 

工藤龍矢書籍『勝てる!戦略営業術』より

 
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