「見込み客フォロー」で勝率アップ

【第3章】新規開拓営業で売上アップ!

8.「見込み客フォロー」で勝率アップ

営業マンは情報提供の大切さに意外と気づいていません。情報がお客様側に十分インプットされていないうちは商談に入っても、空振りすることが多いものです。
クチコミや紹介によるお客様の成約率が高いのはなぜでしょう。知人が間に入ることで、先方への不信や不安がある程度、払拭されているからです。

紹介者によっては、商品やサービス、営業マンの人となりなどをかなり詳しく話している場合もあります。
情報があるからこそ、まったくの初対面よりはぐっと「倣届が低く」なっていて、商談にスムーズに入れるわけです。

私は、セミナー作戦を股開するようになって、すぐ商談に入るよりも、間にもう1段階設けたほうが勝率も尚く、常業活動にムダがないことに気づきました。
そのステップを「見込み客フォロー」と名付けています。

●ステップ1 集客
●ステップ2 見込み客フォロー
●ステップ3 商談(販売.見極め)

営業活動を分解して、科学的な営業をめざすのが、私のポリシーですが、セミナーをネタにした「集客」は、あくまでこちらサイドの「顔見せ」と割り切り、ご要望があれば個別相談に応じ、終了後にフォローアップの資料をお送りするようになりました。
つまり、関係は継続しつつ、しつこく追わないスタンスを意識的にとるようになったのです。

サイバーコップスを担当する頃には、営業部長になっていましたから、見込み客フォローは部下に任せ、商談は私が引き受けるという連携プレーも可能でした。
経験の浅い営業マンでも、会社案内や商品の説明など、ある程度、パターン化したものは十分できますから、場数を踏ませて部下を育成する面でも効果的だったのです。

実際、「集客」と「商談」の間に「見込み客フォロー」というステップを入れると、勝率がアップしました。
もちろん、そのための資料づくりやデータベースの整備は必要ですが、一度作成してしまえば、あとは手順通りに進めていくだけです。

たとえば、次のようなパターンを構築して、セミナー開催のたびに繰り返しました。

●セミナー開催は、ハウスリストのお客様全員に継続的に告知する。
●セミナー資料に、個別相談会の申し込み用紙を入れる。
●セミナー開催翌日に、お礼を兼ねたメールをお送りする。
●資料請求に即対応できるように、パンフレットなどをPDFファイル化しておく。

つまり、手間がかからず、お客様がコンタクトしやすい仕掛けと、関係を継続するための仕組みづくりを心がけたのです。
いったん、この仕組みが回り出せば、緊急度が尚いお客様とそうでもないお客様が自然と選別できるわけです。
商談に入る時には、お客様は十分商品やサービスに納得され、必要な情報もインプット済み。いわゆる「できあがった」状態ですから、密度の高い営業ができます。
空振りが減り、たとえ失注に終わっても、手応えのある商談ができるようになりました。

ただし、フォローの段階では、「売り込もう」という色気を見せないのが大事。営業モードが前面に出るとお客様は引いてしまい、逆効果です。
商品やサービスをご理解いただくためと割り切り、商談に進めようと焦らないことがポイントです。

 
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