顧客が求める情報は惜しみなく与えよう

【第3章】新規開拓営業で売上アップ!

7.顧客が求める情報は惜しみなく与えよう

「カムバック・サーモン」の現象はなぜ起こるのでしょうか。
多くの営業マンは、失注に終わると、すぐあきらめてしまいます。
面談を繰り返して結論が出たのだから、リベンジの見込みはない。
これ以上、接触を繰り返しても時間のムダだから、可能性のある別のお客様を攻めよう。
こう思いがちです。

しかし、現実には、「失注」になったお客様からは反響があり、新規のお客様からはほとんどない。ここに意外な盲点があります。

失注に終わったとはいえ、お客様にはすでに前提となる情報がインプットされています。

一度は接触したのですから、興味・関心がゼロだったわけではないでしょう。
しかも、ガーラという会社、サイバーコップスという商品、訪問した営業マンも、とりあえずは知っています。
つまり、先方から見て、「どこの馬の骨かわからない」存在ではありません。

営業マンは、必死ですが、先方はそれほど真剣ではないケースも多いものです。
緊急度が低かったかもしれないし、多忙で十分話を聞く余裕がなかったかもしれない。
そもそも売る側と買う側では、商談にのぞむ温度差がかなりあります。

しかし、記憶には残っていて、ふたたびセミナーのご案内が来ると、「そういえば、以前、街業マンが来たな。無料だし、行ってみようか」と思う。
商談した時は必要がなくても、その後、状況が変わっているかもしれません。

つまり、失注に終わったお客様でも、時間・余裕・滞要のタイミングが合えば、足を運んでくれる。
いったん途切れた関係が復活する可能性があるのです。

営業マンが求めているのは、「今すぐ客」でしょう。即、商談に入れて、成約の可能性があるお客様に出会いたいと常に考えています。
しかし、「今すぐ客」が簡単に見つかるわけではありません。
むしろ、集客活動を継続しながら、幅広く「見込み客」を集め、「冷やかし客」「そのうち客」「今すぐ客」へ絞り込む。

同時に「そのうち客」を「今すぐ客」に育てていく仕組みをつくる必要があります。
そのプロセスでポイントになるのが、「情報の提供」です。

お客様が知りたい情報を出し惜しみせず、継続的に提供し続ける。これが大事です。
「カムバック・サーモンの法則」を通じて、私はさらに

お客様は、知りたい情報が飽和しない限り、絶対に購買を決めない

という法則も発見しました。

購入前のお客様には、クリアすべきハードルがいろいろあります。
会社や営業マンに対する信頼度、商品への理解、価格、ビジネスへの貢献度など、判断材料がすべてそろわないと「態度を保留」してしまうのです。
附に落ちない点が残っているのに、営業トークで丸めこもうとしても、結局、いい取引にはなりません。
それよりもお客様の不信感、猪疑心などを払拭するために、情報はふんだんにシャワーのように提供する。
セミナーの開催もその一環です。十分な情報があって初めて、営業マンのトークに説得力が出てくるのです。

 
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